のりおの声

2007年12月

今年も残すところ後1ヵ月を切りました。国会は12月15日まで、となっていますが、新テロ対策特別措置法は、参議院に送付されたものの、審議は進んでいません。この国会を再延長し、60日ルールを適用して、衆議院に差し戻し再議決するのか、現時点でははっきりしていません。
他方で、来年度の予算編成に向けて、税の議論等、党内手続きは淡々と進んでいます。最も大きな関心を呼んでいるのが、今年度で期限が切れる道路特定財源の暫定税率の問題ですが、党内の大半は暫定税率維持、必要な道路は建設する、との方向です。民主党の中にも様々な意見があるようですが、これが、来年度予算の中でどう位置づけられ、法案が成立するかどうかで大きな問題になるかもしれません。
そうした個別の問題もさることながら、今の日本の政治に求められているのは、衆参でねじれた国会の状況を前提とした上で、国民生活に密着した問題をいかに解決していくかではないでしょうか。巷間伝えられた大連立の話はともかくとして、一つ一つの課題について、政策協議をしていくことは可能だと思います。日本の場合、二大政党制といっても、イデオロギーで対立している訳でもなく、選挙区事情によって、たまたま与党にいたり、野党にいたりというケースが多いのではないでしょうか。

欧州では特にそうですが、冷戦終結後、国家運営の基本的なあり方をめぐって政党が対立するということはなくなりました。殆どの政党が、いわゆる中道という枠の中で政策を競い合う状況になっています。従って、政党間の連立も、程度の強弱はあるかもしれませんが、頻繁に生じるようになってきています。
その意味で、今後益々、政党自体の存在意義が希薄になっていく予感を抱かせます。もちろん、そうした事態は、国家のあり方を決めるダイナミズムを失わせる、という議論もあるかもしれませんが、社会が成熟してくれば、これは必然の結果とも言えます。ただ、ここはもう一度、民主主義の基本に戻って、自由と平等、権利と義務のバランスをどう取っていくのかを、きちんと議論する必要があると思います。
ローマ帝国が滅びたのは、国民にパンとサーカスを提供し、国防を傭兵に任せてしまったことに原因があると言われますが、この国もそうならない保障は全くない、ということを再認識すべきではないでしょうか。また、もう一つ言えば、どこの国でもそうですが、民主主義の根底を支えるのは、健全な中産階級であることを忘れてはならないと思います。

社会の成熟が、崩壊につながることのないように頑張っていく所存です。

2007年11月

11月1日をもって、インド洋上での海上阻止活動に対する日本の給油活動が法律上の根拠を失い、ストップしました。気になるのは、国際社会が日本のこうした政治状況をどう見ているのか、また今後どういう反応を示してくるのかということです。
その矢先、2度にわたる党首会談、それに続く小沢党首の辞意表明がありました。会談の内容はマスコミ報道から推測するしかありませんが、衆参ねじれ状況による国政の停滞を打破するための話がなされたのは確実なようです。様々な思惑もあり、民主党は小沢氏を慰留し、小沢氏も回答を留保しているそうですが、今後の展開ははっきり言って、よく分かりません。
それにしても、安倍前総理の突然の辞任といい、今回の小沢氏の辞意表明といい、一体日本の政治、政治家はどうなっているんだ、というのが私も含めて、大方の受けとめではないでしょうか。どんな事情があるにせよ、使命感と責任感が政治家の基本であるはずです。内外ともに課題山積の中で、政治の仕事はストレスも多く、決して楽なものではありません。しかし、それを乗り越えて、一歩ずつでも前進していくことが政治に求められているのではないでしょうか。
自分の経験で言っても、百人の方と会えば、百の意見が出てきます。立場によって考えも利害も異なります、全員の利益を満足させることは出来ません。しかし、全体として、最も望ましい方向にもっていくのが政治の役割ではないでしょうか。

去る10月28日、藤波孝生先生がご逝去されました。1967年から2003年まで、長い間国政の中心でご活躍され、また三重県南部の発展のためにも多大のご貢献をいただきました。私自身は先生との関わりは最初の選挙の時からで、短い交わりではありましたが、お会いするたびに、先生の暖かいお人柄と、常に高い所から日本の政治、この国の行く末を見ておられたお姿にいつも感服させられていました。
政治の世界に入って、先生を知る他の国会議員の方々と話をさせていただく機会がありますが、皆さん異口同音に先生のお人柄を賞賛されるのには驚かされもし、同時にそれも当然だろうな、と思わさせられます。
永年の藤波先生の御労苦に想いを致すとともに、三重県民の一人として、また伊勢人の一人として、心から先生に感謝と敬意の念を表したいと思います。

先生のご冥福を心からお祈り申し上げます。

2007年10月

本日(10月1日)、福田総理の所信表明演説がありました。マスコミの反応は、新味がないとか、政策の方向性が不透明だとか、予想通りといったところです。しかし、私は、演説の最後に近い、「老いも若きも、大企業も中小企業も、そして都市と地方も、自助努力を基本としながらも、お互いに尊重し合い、支え、助け合うことが必要であるとの考えの下、温もりのある政治を行ってまいります。」の部分に、今度の内閣の基本姿勢が要約されているという気がします。3日から本格論議がスタートしますが、野党との対話を重視し、お互いにこの国を良くするために、議論すべきは議論し、協調すべきは協調して、一歩でも二歩でも前に進まなければなりません。  

この国は、この15年ほどの間に、経済が停滞したり、また少子高齢化が進む中で、様々な分野に借金をしながらお金を使ってきました。その結果が膨大な債務となって重くのしかかっています。
もちろん、国民にきちんと説明してこなかった政治の責任は大きいと思います。しかし、もうこれ以上現実から目をそらすことは許されません。右を見ても左を見ても、お金のかかることばかりです。団塊の世代が定年を迎えるようになって、益々社会保障関係の費用は膨らんでいくばかりです。我々現役世代は、子供や孫の世代にツケを先送りせずに、責任をもってこの状況を処理しなければならないと思います。  

しかし、これはホームランを一本打てば解決できるというものではありません。国民の理解を得ながら、ヒットを積み重ねて進塁していく以外に方法はないと思います。マスコミはとかく、ホームランか逆にエラーばかりを話題にしたがる傾向がありますが、もう少し、地道な努力の積み重ねに目を向けていってほしいものです。また、政治家も浮ついたパフォーマンスにばかり走るのではなく、真剣な眼差しを取り戻すべきではないでしょうか。私自身は、いつも申し上げているように、平熱の、大人の政治を心がけていきたいものだと思っています。

2007年9月vol.3

23日、自由民主党の新総裁に福田康夫氏が選出されました。24日には新役員が決定し、党の体制が固まりました。本日(25日)の首班指名を経て、福田内閣が発足します。
総裁選挙、新役員人事を皆さんはどうご覧になったでしょうか。私自身は福田候補に一票を投じました。マスコミで言われているように、派閥の締め付け等があったからではありません。去年の総裁選挙でも、派閥は安倍支持だったのですが、私は谷垣さんの推薦人になりました。その流れ、つまり政策面での共感で判断した結果です。もちろん、日本が国際社会の中で、特に経済面では、一定の競争力を維持していくためには、構造改革を進めなければなりません。しかし、改革を何のためにやるのか、それが国民の幸福の増進につながるものでなければ、意味がありません。高齢化、人口減少が進む中で、これまでのように、全員が満足できるような施策は取りづらいのも事実です。  

テレビ報道のせいもあって、ここ数年間、日本の政治は熱にうなされたような状況が続きました。野球で言えば、ホームランとエラーばかりに目が行き過ぎたように思います。しかし、大事なのはヒットの積み重ねではないでしょうか。構造改革の影の部分にも目配りをし、激変緩和を考えなければなりません。そろそろ、高熱ではなく、平熱の、大人の政治を取り戻さなければなりません。  自民党にとっても大きな転機です。総裁選挙で福田さんが330票、麻生さんが予想外の健闘で197票を獲得しました。これは、健全なバランス感覚が働いた結果だと思います。派閥も55年体制の派閥ではありません。締め付けが効かなかったのも、健全化の表れです。また、役員人事についても、派閥の領袖を集めたとの批判もありますが、党の結束と大人の政治への回帰だと受けとめています。  

一時、世界一だった、日本の一人当たり国民所得も今や14位にまで下がっています。急速な高齢化、人口減少が進むこの国で、決して自分本位ではなく、しかし、一人一人の国民の幸せを考えていくことが、今の政治に課された大きな仕事ではないでしょうか。  市場原理一辺倒でもなく、かといって社会主義的な過剰福祉を目指すのでもなく、日本的な風土、文化に適合した新しい社会を構築すべきではないでしょうか。また、そのことが、経済の面だけでなく、世界から評価される道へとつながっていくのではないかと思います。

2007年9月vol.2

昨日(9月12日)、安倍総理が突然辞意を表明しました。あまりの唐突さに一瞬呆然としてしまいました。そして、今日13日、入院が決まったそうです。 辞任の会見での安倍総理の説明に、釈然としないものを感じたのは私ばかりではなかったと思います。実際のところは、体力、気力ともに限界に来ていたのだということなのでしょう。 それにしても、辞めるのであれば、どうして参議院選挙の直後に辞めなかったのでしょうか。引き留めた人達にも責任があると思います。考えてみれば、安倍内閣は、いろいろな問題が起こるたびに、対応のタイミングを外しまくった内閣でした。最後の辞任のタイミングも含めて。

辞任表明を受けて、党内では総裁選挙の手続きが進行中です。次期総裁を選ぶに際しては、国会開会中ではありますが、決して拙速であってはならないと思います。国民は、次の総理がどんな政策を打ち出してくるかを真剣に見ていると思います。候補者それぞれの政策をきちんと国民に説明し、理解を得た上で、選ばなければなりません。これは自民党のためというより、国民のためです。そこのところを理解せずに、単なる権力争いに終わってしまっては、国民の信頼回復は覚束ないでしょう。今朝の総務会でも、このことが議論になり、私も以上のような発言をしました。

内外共にこの国を取り巻く状況は大変厳しいものがあります。政争も激しくなっていますが、様々な問題にきちんと答えるだけの能力と意欲を持った政治が必要です。
テロ特別措置法一つ取っても、国際社会のテロに対する戦いに日本がどのように関わっていくのか、世界中が注視しています。アメリカとの関係はひとまず措くとしても、あの9.11テロでは日本人も24人の方が犠牲になっています。憲法上の制約の中で、日本ができるぎりぎりのことをやるのが悪いことなのでしょうか。逆に国連の決議さえあれば何でもやる、ということになれば、海外での武力行使に追い込まれる危険性もあります。イラクの問題とアフガニスタンのテロ対策とは内容も質も違います。もちろん、最後は国民の選択ですが、日本の国際社会における立ち位置が問われる問題であることは間違いありません。 一つ一つの政策の内容と、そして何よりもその実現可能性をしっかりと吟味していただきたいと思います。

2007年9月

8月27日に新内閣が発足しました。前の内閣よりは安定感のある内閣だなあと思っていた矢先、遠藤農林水産大臣が辞職、前途多難な船出となりました。
私自身は、政務官適齢期ではありましたが、希望せず、この内閣の一員とはなりませんでした。今度は党の最高意志決定機関である総務会のメンバーを仰せつかりました。また、9月2日付けで三重県連の会長に就任しました。なお、国会の方は、予算委員会委員、外務委員会理事、法務委員会理事を命ぜられたことを併せてご報告申し上げます。

さて、8月17日から24日まで、国会対策委員会のアジア政治経済調査団の一員として、インド、ベトナム、中国の大連を回ってきました。インドではホンダの工場を視察しましたが、この国は私の予想に反して、既に人件費が思っていたより高く(工場労働者で月5万円ほどの給料)生産基地としてではなく、市場として企業関係者は捉えているということが分かりました。ベトナムはまだ、生産基地としての地位を脱却するところまで至っていません。しかし、ベトナムの国民は勤勉で、労働力の質も高く、また国民全体が上昇志向が強いように思われました。欧米の通信社の調査で、この国の人達の90%以上が「今日より明日は必ず良くなる」と答えたそうです。ちなみに日本は20数%。しかし、日本もおそらく昭和30年代には同じような状況だったに違いありません。
また、ベトナムでは国家主席、首相、経済開発担当大臣、党(ベトナムは共産党独裁政権です)の幹事長とも話をする機会がありましたが、日本に対する期待の大きさをひしひしと感じました。
キャノンの工場を視察しましたが、現場の労働者が自発的に作業効率を上げるための工夫をしていることに感心させられました。インフラの整備さえ進めば、この国はアセアンの中でも有数の経済大国になるのではという予感を持ちました。大連は既に日本の企業が多数進出しています。また中国全体の中でも、日本語のできる人の割合が際立って高い地域です。ものすごい建設ラッシュで、都市としての急速な膨張振りには目を見張らせられました。しかし、正直言って、中身がどこまで付いていっているのかは、サービスの面など、少々疑問なきにあらずです。この街は満州鉄道の本社が置かれていたところです。良くも悪くも、戦前から、というか日露戦争の時代から、日本との関わりの深かった地域です。その地理的な距離の近さからも、日本は特に注視していくべき地域だと感じました。

以上3カ国を回って感じたことは、人間の欲望には限りはないのでしょうが、いつかの時点でこれらの国も、物質的にはある程度充足される時期がやって来るはずです。日本がそうであるように、その後に一体何がやって来るのかということを、今から対応を考えておく必要があるのではないか、と思わずにはいられませんでした。

2007年8月

参議院選挙の衝撃がまださめやらぬ中ですが、そんなことと関係なく、夏は盛りを迎えようとしています。正月に、今年は亥年で、災害と変動の年と申し上げたのが、図らずも当たってしまったようです。
それにしても、今の内閣の対応のお粗末さには、あきれ果ててしまいます。
いやしくも、政治家たる者、国民の幸せを第一に考え、民意がどこにあるのかを汲み取れなくて、その任を担うことはできません。もちろん、戦後何十年と引きずってきた制度、構造、慣習など、時代にそぐわなくなってしまったものは改革していかなければなりません。それによって、既得権を削がれる人も出てくるでしょうが、より良いシステムの構築に向けて、例え、一時的に痛みを伴うことがあるとしても、将来のこの国の姿がはっきりと示されたなら、多数の国民の理解は得られるのではないでしょうか。それが示されないままに、改革という名の制度破壊だけが進んでいけば、不安と不満だけが増幅されてしまいます。
ここは、今一度原点に立ち返って、国民は何を求め、何を望んでいるのかを大きく目と耳を開いて対処する必要があると思います。民意とかけ離れたところに政策の重点を置いたり、耳に心地よいだけの、およそ非現実的な無責任な政策もどきを提示したりするのではなく、真剣にこの国の将来を見据えた、しかも実現可能な政策を議論すべきだと思います。

今回の選挙でもっとも残念だったのは、その意味での政策論争がほとんど無かったということです。政策論争以前に、年金の事務処理問題と次から次へと起こる閣僚の失言や事務所費問題、それに対する危機管理能力の欠如に対する批判が今度の選挙の結果となって現れたことは間違いありません。この点については、深刻に受けとめ、早急な対応が必要です。それにしても、候補者は政策をいくら訴えても、あまり聞いてもらえる余地が無かったのは気の毒でした。
よく「風」ということが言われますが、風頼みだけで政治はできません。また、いわゆるパフォーマンスは、私には無縁のものです。これからも、愚直に、驕らず、卑屈にならず、自分の使命を果たしていきたいと考えています。
最後になりましたが、台風4号、中越沖地震で被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。

2007年7月

延長国会も後数日を残すところとなりました。参議院選挙まで後1ヵ月を切り、いよいよ選挙戦突入です。
先般、川崎県連会長が、年金問題のけじめをつけるということで、会長職と小野崎選対の本部長も併せて辞任されました。突然のことで驚いたのは私ばかりではなかったと思います。
それはともかく、7月1日付けで、三重県連の会長代行を仰せつかりました。微力ですが、全力で取り組む所存ですので、よろしくお願い致します。当面はやはり参議院選挙です。年金問題やらなにやらで自民党に対する逆風は強いものがあります。いろいろな問題が次から次に生じてきますが、要はそれらをいかに適切に、責任をもって処理するか、ということではないでしょうか。
参議院は衆議院と違って、6年間じっくりと仕事ができます。一つの政策を追究していくには適した立場だと思います。それだけに、しっかりとした理念、信条を持ち、きちんと政策に結実させていくだけの意欲と能力を持った人が選ばれるべきだと思います。

いつの間にか、政治がいわゆる劇場型になってしまいました。私自身も、よく地元の皆さんに、何故テレビに出ないのかと言われることがあります。しかし、政治家のタレント化は、タレントの政治家化と同じように、あるいはそれ以上に危ういものがあると思っています。個々の問題に瞬間的に対応することももちろん必要でしょうが、今の日本の政治に求められているのは、短期的な利害の調整ではなく、この国の将来をどういう方向にもっていくのか、長期のビジョンを示すことではないでしょうか。
日本ばかりではないかもしれませんが、どうも世の中全般に目先の利害得失にばかり注意を奪われているような気がして仕方ありません。経済のグローバリズム化と共に、世の中の価値の置き方が、経済面に傾き、それもアメリカ流の短期的な利益重視の傾向が強くなりすぎたと思います。そのために様々な分野で無理が生じたり、場合によっては法律違反まで起こしてしまう。こうした事態が、純粋に営利を目的とする分野だけではなくて、教育や福祉の分野にまで広がってきているのは由々しきことだと思います。
個人も企業も、社会に対する貢献や名誉にもっと重きを置くべきだと思うのですが、こんな考えは旧いのでしょうか。次の世代のためにも真剣に考えるべき時期に来ていると思います。

2007年6月

国会も後3週間を切りました。終盤に来て、松岡前農水大臣の自殺、年金の5000万件未統合問題をめぐって俄然騒然としてきました。国会対策委員会の副委員長を2年務めてきていますが、今回ほど難しい国会運営は記憶にありません。問題山積の中、重要法案もまだ未処理のまま会期末を迎えようとしています。
政治資金の問題については、政治資金法を改正し、より透明性を高めなければなりません。また、年金の問題については、過去の責任問題をとやかく言うより、この未統合の5000万件のデータを一刻も早く照合し、本来の権利を回復すべく手立てを講ずる必要があります。その際、照合を急ぐのはもちろんですが、領収書などの物証がなくとも客観的に立証できる事実があれば、これを受け入れること、また、5年の時効は当然適用しないことが必要です。今審議されている法案はこれらの要件を満たしていると思います。足らざる点があれば、野党も積極的に提案すべきであろうと思います。要は、こうした問題は政争の具にするのではなく、与野党協力して迅速に処理すべきではないでしょうか。

話は変わりますが、都道府県別の様々な統計を見ていると、大体どの項目でも三重県というのは47都道府県の真ん中くらいに位置していることが多いものです。ところが、最近ある本を読んでいて、三重県が全国第2位になっている項目を発見しました。私も驚いたのですが、一世帯当たりの平均貯蓄額が全国2位なのです。ちなみに1位は東京都で1957.7万円。三重県は1939.4万円です。全国平均が1555.7万円、最少は沖縄県の506.8万円でした。ちょっと考えさせられたのは、これだけ三重県の人が貯蓄をして、そのお金がどこに投資されているのか、ということです。県内貯蓄が県内投資に回るように県全体の経済を活性化させる必要があります。資金はあるのですから。あとは、県内で有望な新規事業を発掘できるかどうか。地域が一丸となって、そのような事業を見つけ出し、支援していく姿勢を打ち出すことではないでしょうか。
地域の次の世代のために、役に立てる分野はいろいろあるのではないか、と感じさせられる統計資料でした。

2007年5月

新緑が目に鮮やかな季節になりました。三重県の南部は緑豊かな地域です。伊勢の神宮の森の緑、紀伊の山々の緑。毎年この季節になると、ここで生まれ、育ったことの幸せを感じずにはいられません。
国会議員に当選させていただいてからほぼ三年半が経ちました。その間、なんとかこの故郷三重県の南部を活性化、浮揚させたいと思い、いろいろと考えをめぐらせてきました。インフラの整備、一次産業や観光の振興、まちづくりや防災対策。これらは皆日本のどの地方にも共通する課題かもしれません。この国は、明治以降、それまでの幕藩体制という地方分権から中央集権に体制を変更し百数十年にわたってそれを続けてきました。人も物も金も中央に集中させ、一旦中央に集中させた財政資金を地方には補助金や交付税という形で配分してきました。しかし、国も地方も大きな借金を抱える中、この仕組みは破綻しようとしています。地方への税源移譲と権限移譲を進め、地方のことは地方が責任を持って対応する仕組みに転換しようとの流れに変わってきています。問題は地方がそれに対応できるだけの体力と能力があるか、ということです。また、行政の問題もさることながら、それ以前に、地方の雇用、経済をどうするのかということが基本的問題として残ります。

地方への企業誘致は大きな課題ですが、正直言ってそう簡単な話ではありません。インフラや労働力等、相当条件が整っていなければ、なかなか進出してもらえません。しかし、どうにかして都市部に集中している仕事を地方に回すことを考えないと、本当に日本全国の地域が沈み込んでしまうおそれがあります。これだけ情報・通信技術の発達した世の中ですから、都市部の本社や事業所でやっている仕事の一部を外に出すことはできるはずです。現に、いわゆるコールセンター業務(電話で処理できるサービス業務)などは、本社とは全く別の場所で(アメリカの企業はインドにコールセンターを置いている例もあります)処理されています。大規模な事業所の進出はなくとも、地方で雇用を増やす手だてはあり得ると思いますし、現にそうしたことを考えている企業も出てきています。オフィスや工場に行って働くことだけが仕事だという既成概念を覆す時代になってきたのではないでしょうか。地方が真に自立するためには、行政の資金や権限だけでなく、民間の仕事(それも物理的な企業進出が伴わなくとも)が地方へも回る仕組みが必要ですし、それがなければ、地方に若い人は残ってくれません。企業にもコスト削減効果があり、地方にも雇用と経済発展効果がある仕組みを真剣に考えていきたいと思っています。

2007年4月

桜の花も満開となり、今頃はお花見を楽しんでおられる方も多いかと思います。地元は今統一地方選挙の真っ最中。私も応援に走り回っています。ことの賛否はともかく、地方分権は確実に進んでいきます。全国一律に上からお仕着せの地域振興の時代は終わりを告げようとしています。これからは、地域が独自性を発揮し、自らの創意と工夫で勝負をしなければならない時代です。そうした中、今、地方の首長や議員に求められるのは意欲と智恵です。国も地方も大きな借金を抱える中、限られた財源で、優先順位をきちんとつけて必要な行政を進めていかなければいけません。この意味するところは、独り首長や議員ばかりでなく、地域の住民も自分たちの地域をこれからどうしていくのかを、自分たちで真剣に考えないといけない時代になったということです。自分で考えるのは大変しんどいことかもしれません。しかし、これまであまりにも人任せであったことも事実です。一人ひとりが自分の問題として自覚をしていただく必要があるのではないでしょうか。その点で、地方選挙は大きな意味を持っています。本当に地域のことを真剣に考えてくれるのは誰か、よく見極めて正しい選択をする必要があるし、その選択が最終的には自分たちにはね返ってくることを十分認識して頂きたいと思います。

さて、地方選挙が終わると、国会も後半戦に入ります。教育関係の法案、国民投票法、公務員制度改革法と重要案件の処理が目白押しです。一方で7月22日の参議院選挙を見据えて、国会運営をめぐる与野党間の駆け引きが本格化してくるのは間違いありません。 私も国会対策委員会の副委員長を仰せつかって2年目です。この間感じたことは、与党が衆議院では三分の二を占めているのですが、逆に強引な国会運営ができないということと、野党も根源的なところで政府・与党を攻めあぐんでいるということです。昔と違って、与野党が馴れ合いや密室での取引で国会運営を決めるということはできなくなっています。
この春、入学、就職を迎えられる方も沢山おられるかと思います。皆様の前途を祝福申し上げますとともに、新年度を迎え、自分自身も気を引き締めていきたいと思っております。

最後になりましたが、先般の能登半島地震(私の義母も七尾市で独り暮らしをしていますが幸い無事でした)で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

2007年3月

2日深夜から3日未明にかけて、徹夜で19年度予算案の本会議採決が行われました。野党は予算委員長、総務委員長、財務金融委員長の解任動議を提出し、引き延ばしを図りましたが、どういう訳か、予算委員長と総務委員長の動議が否決された時点で、財務金融委員長の解任動議を取り下げました。理由はよく分かりませんが、おそらくみんな疲れてきて、無駄な抵抗は止めようということだったのではないかと思います。マスコミもこのことはあまり大きく取り上げていません。予算は4月1日から執行しないと、国民生活の様々な面で影響が出てくるのは分かり切ったことです。まして、今年は4月に統一地方選挙、7月には参議院選挙を控え、国会審議に時間的余裕がなく待ったなしの状況です。予算が終われば、各種法案審議が始まります。こちらはこれからが本番。最低賃金引き上げや社会保険庁改革など国民生活に直結する法案も多数提出されています。

私自身は予算委員として予算審議に参加し、またこれからは自民党の国会対策委員会の副委員長として、国土交通関係の法案審議の調整役を務めることとなっています。予算審議の過程を通じて感じたのは、安倍総理が自信を回復しつつあるということです。内閣支持率が発足以来低下を続けていますが、一喜一憂することもないでしょう。問題は何故支持率が上がらないのかということの原因を早く除去することだと思います。そしてその方向で動き始めたように見えました。小泉前総理大臣の5年半の政権の間に、すっかり劇場型政治が国民の間に広まってしまいました。刺激的で、興奮を呼ぶ政治に慣れきってしまったのかもしれません。しかし、選挙の時はともかく、通常の政策論議は冷静に行われるべきものだと私は思います。マスコミも、特にテレビは、政策も、政局も、スキャンダルも同じレベルで採りあげるようになってしまいました。

時には高熱で、アドレナリン一杯の白熱した議論も必要ですが、冷静な平熱の政治をそろそろ取り戻す必要があるように思います。自由と平等、自己責任と公的庇護、義務と権利、このバランスをどう取っていくかが民主主義政治の最も大きな課題です。時代や環境によって、ウェイトの置き方が変わるのは当然です。要は、昔には戻れないということを自覚しつつ、今の状況に応じたあるべき地点にいかに軟着陸させるかが政治に課された仕事だと言ってもいいのではないでしょうか。

2007年2月

先月の25日から通常国会がスタートしました。150日間の長丁場です。しかも冒頭から波乱含み。2月1、2日と補正予算審議のための予算委員会、本会議が開かれましたが、柳沢厚生労働大臣の発言をめぐって、野党は審議拒否。災害対応や学校の耐震化を早急に進めるための補正予算の審議まで欠席するという事態になっています。柳沢発言は確かに不適切であることは認めますが、そのことも含めて国会の場で議論すればいいことではないでしょうか。

その他にも、事務所経費を含め「政治と金」の問題など政策とは別のこともこの際はっきりとしたけじめをつけるべきだと思います。これも予算委員会で議論をすべき事柄です。政治活動に経費がかかるのは否定しようもありません。 地元事務所の借り上げ、光熱費、交通費、文書通信費、公設以外の秘書の給与等々、支持者の方々の浄財で成り立っているのが実情です。問題はこれをいかに透明性を持って使わせていただくか、ではないでしょうか。与野党を問わず、国会議員たるもの改めて肝に命ずべきことだと思います。
話は変わりますが、新聞各紙、テレビでも報道されましたのでご覧になった方も多いと思いますが、2月4日に六本木ヒルズで伊勢神宮の式年遷宮のお木曳きがとり行われました。私も参加しましたが、準備に大変な労力、経費、時間を要したと思います。関係者の皆様には心から感謝申し上げます。
二千年来の日本の聖地伊勢と、現代の日本文明の象徴である六本木ヒルズを結びつけるイベントであったと思います。地元伊勢にとっても御遷宮に向けて大きな弾みになることを期待したいと思います。ただ、一つだけ申し上げたいのは、伊勢に来ていただいた方に本当に満足して頂けるかということです。これを機会に是非、地元の受け入れの状況を見つめ直して頂きたいと思います。いろいろな施設整備は時間もお金もかかることですから、そう簡単には変わらないでしょう。しかし、他所から来て頂いた方に対する、食事、接客マナーそして何よりも心から歓迎する気持は、その気になれば明日からでも変えられるものです。これは実はそんなに難しいことではないのではないでしょうか。要は、受け入れ側がお客様の立場に立って対応できるかどうかです。難しいことではない、と言いましたが、実は本当はこれが一番難しいことなのかもしれませんが・・・。
関係者の方々にはぜひご一考いただければと思います。

2007年1月

明けましておめでとうございます。昨年一年大変お世話になりました。 個人的な話で恐縮ですが、昨年は母と父を相次いで送ることになりました。誰でもいつか通る道ですが、半年もしない間に二人とも逝ってしまうと、一挙に空洞感を感じさせられます。生前もっと両親に優しくしておけばよかったと思うことしきりです。今はただ自分が幼かった頃に親から受けた愛情の深さだけが思い出されてなりません。

それはともかく、政治の世界でもいろんなことがありました。政権が小泉さんから安倍さんにバトンタッチされ、出だし快調だった安倍政権も郵政造反組の復党問題から、道路特定財源問題、政府税調会長の辞任、閣僚の辞任と続いて、なにやら波乱含みの年明けになっています。ここらで一つじっくりと落ち着いて政策を真剣に熟慮すべき時期に来ているのではないでしょうか。

昨年後半から、マスコミの政治部の幹部の人たちと有志で月に一回懇談を始めました。 今の政治は良くも悪くもマスコミに影響されます。特に小泉内閣以降はその傾向が顕著です。無党派層が増えたことも一因かもしれませんが、マスコミの取り上げ方一つで政治の行方も変わってしまうようになっています。以前は政治がお茶の間に入ってくることは殆どなかったように思いますが、今では殆ど毎日、特にテレビで、まるで芸能かスポーツニュースのように取り上げられ、芸能界の人まで政治問題についてコメントするようになりました。また政治家も一部タレントのようになってしまっています。いろいろな問題を国民の前にさらすこと自体は意味のあることだと思いますが、それが感情的で皮相的なものに終わってしまっては正しい判断もできません。

道路特定財源の問題でも感じたのですが、マスコミは分かり易くかつ安易に、道路族の抵抗といった図式を打ち出すものです。改革のためと言えば、なんでも正当化されるという訳でもありません。もっと言えば、改革とは何のためにやるのかと言うことです。改革は手段です。目的は国民の幸福の増進でなければなりません。
もちろん、借金を次世代に負わせるようなことは避けなければなりません。しかし同時に国民の生活も考えなければなりません。要はバランスの問題です。為政者は時には国民に痛みを強いることも必要でしょう。不必要なものならやめたらいいし、国民も納得するでしょう。こういう政策目標があり、そのためには、たとえば5年間我慢をしてもらいたいということであれば、またその目標に合理性があれば、国民の理解は得られるのではないでしょうか。
政治はこの国の骨太の将来像を提示すべき時期に来ていると思います。そのためには、日頃から民意を吸い上げ、正しい政策判断ができるように不断の努力をしていく必要があると思います。

以上、自らを戒める意味もこめて、また今年一年頑張っていく所存です。 なお、昨年に引き続き、次期通常国会でも国会対策委員会の副委員長を務めさせていただく予定です。ご無沙汰の段、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。

最後になりましたが、まだノロウィルスが猛威をふるっています。お気をつけください。また、この関係で風評被害に遭われた地元の牡蠣業者の皆様、水産庁とも協議をしておりますが、何とかこの苦境を乗り切っていただきたいと思います。

今年一年の皆様のご健勝とご多幸を心からお祈りいたします。

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